韓国の慶尚南道(キョンサンナムド)にある「河東(ハドン)郡・平沙里(ピョンサリ)」が、国連世界観光機関(UNWTO)が57カ国・130地域の中から32の町を選ぶ「ベスト・ツーリズム・ビレッジ(BTV)」に選ばれました。文化体育観光部が21日、伝えました。
去年は、韓国の南西にある全羅南道(チョルラナムド)・新安郡(シナングン)の半月島(パンウォルド)・朴只島(パクチド)と、全羅北道(チョルラプクト)・高敞郡(コチャングン)の支石墓・雲谷湿地村が選ばれ、2年連続で韓国の町が選ばれました。
河東郡・岳陽面(アクヤンミョン)に位置している「平沙里」は、韓国を代表する小説家である朴景利(パク・ギョンニ、1926~2008)の大河小説「土地」の背景となった町です。「土地」は、1897年から1945年まで、平沙里に暮らす崔一家の物語を中心に、韓国の近代史を描いた小説です。
平沙里には、99世帯・176人が住んでいる。朴景利文学館や韓屋文化館などからは歴史や伝統文化が感じられる。また、スカイウォークやリゾート、カフェなどがそろっている複合文化スペース「スターウェ河東」、しじみ採りや茶摘み体験などの文化観光コンテンツもあります。
同部は「韓国の町が2年連続BTVに選ばれたのは、韓国の地域観光コンテンツが世界から認められたという意味」とし、「観光を通じて地域の人口減少といった社会問題を解決する優秀事例として紹介され、韓国の国際観光におけるリーダーシップを確認する契機となった」と説明しました。
BTVは、地域コミュニティの伝統と文化を保全するために、観光の強みを活かした、地域からの優良事例を求めるべく、持続可能な開発目標(SDGs)に沿って、地域において新しい形で観光事業を実施する地域を見つけ出すUNWTOの取り組みます。対象となるのは、農業・林業・漁業・畜産業などを行っている、人口1万5000人以下の市町村です。今年は平沙里以外に、イタリアのイソラデシリオ、スイスのムルテン、中国の大寨などが選ばれました。
Source: Korea.net, UN body names Pyeongsa-ri one of this year’s Best Tourism Villages, 2022 (https://www.korea.net/NewsFocus/FoodTravel/view?articleId=226189)